#22「九州男児、世界一周の旅にでる!」

公開日: : 最終更新日:2016/02/15

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「いつか、世界一周してみたい。」
そんな空想をする人は、世界中にたくさんいる。それでも実際に行動に移す人は、なかなかいない。そりゃぁ、そうだ。

「仕事はどうするの?」
「お金は?」
「帰って来てからどうなるの?」

現実社会の目の前には、いくつもの大きな壁が立ちはだかっている。
それなのに、彼は出てしまったんだ。世界一周の旅に。現実という名の大きな壁を飛び越えて。しかも夫婦二人で、バイクに乗って。

彼の名は野副竜平(ノゾエリョウヘイ)。
現在311歳。自分と同い年の九州男児。

リョウとの出会いは1996年のオーストラリア。その旅で、知り合ったライダーのひとりだ。帰国後、岡山の旅行会社に就職。日経新聞を読みながら、毎朝電車で会社に通った。7年間、無遅刻、無欠席、無早退。一生懸命、汗水流し、見事、店長就任!会社の後輩と結婚し、順風満帆な人生を送るリョウ。

しかし、この男には6年かけて準備していた壮大な計画があったのだ!

2005年3月
そんな彼から、ある日届いた驚愕のメール。

「会社を辞めました。4月から夫婦二人で世界一周の旅にでます!!」

●2005年4月
本当に出発してしまった。夫婦二人で世界一周の旅に。カナダのバンクーバーをスタート地点として、バイク2台にまたがり、約2年間の予定で。

2006年3月
あれから、約1年の月日が流れたある日。遥か遠い国のアルゼンチンから、一通のメールが届いた。

「久しぶり!俺達はとうとう南米大陸最南端の町へ到着する事ができました。やったぞー!勉強になる1年だった。日本という国は間違いなく素晴らしい。今後は4月~5月にかけて欧州へ渡ります。これからもよろしく!リョウ」

2006年5月
そして、その約2月後。再びアルゼンチンから、思いもよらぬメールが届いた。

「突然だけど、大切な報告があります。去年俺達はバイク2台で世界一周旅行に出発したけれど、この度ここブエノスアイレスで旅行を終えることに決めました!」

その理由は、バイクが壊れたわけでも、二人が離婚するわけでもなく、

お・め・で・た。

「バイクで世界一周することはできませんでした。でも、夢は叶えようとする気持ちがあれば、実現可能だということを、この旅で知りました。本当に大切なのは、はじめの一歩。とりあえず、福岡に帰ります。」

2006年7月

リョウが帰国してから、2ヶ月後。地元の福岡で旅の写真展を行うという知らせが届いた。

●2006年8月

それから1月後の8月中旬。新横浜の駅から新幹線に飛び乗り、リョウに会いにいった。夏の盛りの小倉まで。

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オーストラリア以来の約10年振りの再会。それでも、メールでやりとりしていたせいか、ブランクを感じるはなかった。次から次へと勝手に溢れ出す、言葉と笑顔。考えてみれば、北半球でリョウと会うのは初めてだ。

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彼の地元、門司港の郵便局の一室を借りて展示されていた南北アメリカ大陸の旅写真。テレビの旅番組でしか見たこともないような広大な景色。いままで、見たこともない絶景の数々。それらはどれも、胸の奥にしまってあるボクの放浪魂をくすぐった。

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しばらく話をした後、郵便局から5分くらい歩いた先にある、うまいそば屋で一緒に食事をした。窓の向こうに、関門海峡と下関の山の連なりが映る。

「結局子供が出来て、日本に帰ってくることになったけど、子供に手がかからなくなったら、また行こうと思ってる。子供が大人になってからだから、55歳くらいになっているでしょ。普通に考えたら無理だけど、本当は無理ではないんだよね。実際に南米で66歳の日本人の夫婦がバイクで走ってたんだよ。それを考えればさ、無理じゃないなって思ってるんだよ。」

サンタクロースを信じている子供のように、目をキラキラ輝かせながら、リョウはそう言葉にした。この目を見てると、「何をするにも、遅すぎることはない」、そんな気がしてくるから不思議だ。この男には、遠い先の夢ではなく、いまから始まっているとても長い計画なのだろう。

そして世界一周の旅の次に、彼はまた大きな決断を下した。

「旅行中、ずっと暖めていた想いを実現する為に、10月から専門学校に通うことにした。ハマちゃんと同じくカメラマンとしての道を歩き始めようと思っている。」

夢は叶えようとすれば、実現可能。年齢とか、お金とか、環境とかは結局、実現しようとしていない自分への言い訳なのかもしれない。

九州男児がまた、大きなはじめの一歩を踏み出した。

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