#30「赤道を超えたラブレター 前編」

公開日: : 最終更新日:2015/07/09 ネタ話

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2月、今年もこの街に恋の季節がやってきた。

こんな僕でも過去に一度だけ、ラブレターを書いたことがある。
それは、この31年間の人生で、後にも先にも一度きりのガチンコラブレター。

今からさかのぼること、10年前。
シノベマサタカ、青春ど真ん中の21歳。

お相手は、天使のように素敵な人だった。
彼女の背中には、小さな羽が生えていた。
間違いなく、21歳の青年には輝く羽が見えていたんだ。

天使に出逢ったのは、ワーキングホリデーでオーストラリアに出発する3ヶ月ほど前。逢って、2秒で恋に落ちた。

その3ヶ月後。
何も気持ちを伝えることができず、仲のいいお友達のまま僕は日本を去った。
北国の中学生よりも、うぶな21歳だった。

僕はシドニーで暮らしをスタートさせた。
一年間は日本に帰るつもりはなかった。
それでも、マグマのように燃えたぎる恋の炎を押さえることはできなかった。
自分の気持ちを彼女に伝えたくて、どうしようもなかったんだ。だから熱き想いを込めて、僕はペンを走らせた。

手紙の内容は顔から火がでて、消防車がかけつけるくらいの恥ずかしい文章。
誰かにこっそり見られたら、

「旅に出ます。探さないでください。」

と書き置きをしなければ、いけないくらいの赤面ラブレター。
曲がったことが大嫌いだったその頃の僕に、恋の駆け引きなんてできるはずもなかった。

ラブレターはエアメール。
僕の想いは飛行機に乗って、南半球から北半球へと赤道を超えた。

それから、1ヶ月が過ぎたある日のこと。
日本で暮らしている彼女から、シドニーで生活する僕のもとへ一通のエアメールが届いたんだ。

後半へ続く…….


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