#33「ショセ 」

公開日: : 最終更新日:2016/02/15 ネタ話

033_syose
いまからさかのぼること、10年前。
シドニーの英語学校に、2ヶ月ほど通っていたときの話。

同じクラスに、ヒゲの濃いスペイン人の学生がいた。彼の名はショセ・ロイスルペス・サンマルティン。あまりにも長い名前なので、みんなショセと呼んでいた。

彼は白人で、いかにも英語が話せそうなルックス。だけど英会話能力は、クラスで1、2を争うほどの低さだった。それでも誰より、英語を真面目に勉強していたのも彼だった。昼間は学校で一生懸命英語を勉強。夜はレストランでバイトをする毎日。そんなショセにボクは聞いた。

「どうして、そんなに一生懸命英語を勉強してるんだ?」

すると彼は力強い言葉を口にした。

「一年間英語を勉強して、スペインに帰ったら英語を使う仕事に就きたいんだ。」

そのショセの青い目はキラキラと希望色に輝いていた。

ところが、そんな彼が突然、帰国することなった。あまりにも急で、意外な話だったので、思わずボクは彼に言葉をぶつけた。

「なんでだよショセ?君はあんなに一生懸命英語を勉強していたじゃないか?」

すると彼は嬉しそうに、こう言った。

「カーニバルがあるんだよ。」

「えっ?かーにばる???それじゃ、そのお祭りが終わったら学校に帰ってくるの?」

「帰ってくるわけないだろ。
だってスペインのカーニバルは1ヶ月間ずっとやってるんだからさ。
今から楽しみでしょうがないよ!ハッハッハッ!!!」

それから一週間後。
ホントにショセは国に帰ってしまった。

意味がわからない。
あの希望色の青い目はなんだったんだ!

脳みその仕組みを一度見てみたい。
さすがラテン系!恐るべし!


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