#43「お会い出来て良かった、小栗旬。中編」

公開日: : 最終更新日:2016/02/15 ネタ話

 

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「取材はどこでするんですか?」とライターさんに尋ねる小栗くん。

「少し先の自動販売機の目の前にある休憩所です。」と答えるライターさん。

「どうせなら、俺の楽屋でしません?」と予想外な提案。

「えっ!いいんですか?」

「いいですよ。そっちのほうが、ゆっくりできていいでしょ。」

そんなこんなで、なんと特別に小栗くんの楽屋で取材をさせてもらえることになった。広めの楽屋には一段高いところに畳がひいてあり、その中央に机が置いてあった。ハンガーにかけてあるTシャツは自前のものだろうか。

早速、ストロボをセットし、デジカメの電源を入れ、インタビューカットを撮影していく。小栗くんととても親しそうに話をしているライターさん。それもそのはず、この二人は仕事を通じて、もう4年の付き合いになるそうだ。

それにしても驚いた。
いままで、いろいろな俳優さんやタレントさんなどのインタビュー撮影をしてきたけれど、ここまで本音で語ってくれる人などいなかったからだ。小栗くんと付き合いの長いライターさんの力量も凄いし、用意された言葉ではなく、ここまで腹を割って、自分の言葉で話をする小栗くんにも正直言って驚いた。

彼の上辺だけではない、とても人間らしい体温のある言葉を聞いて、勝手に親しみを覚えた。僕とは別の遠い世界で生きていると思っていた彼も、実は同じ世界の同じ空の下で生きている。そんな当たり前のことを感じながら、シャッターを押した。

インタビューが終わりに近づくと、僕はカメラバックに忍ばせておいたある物をこっそり、机の下に置いた。そして、ライターさんが最後の質問をしたあと、気を効かせて、彼にユウキの話をふってくれた。

「実は小栗くん、今日のカメラマンさんは、以前ユウキで小栗くんが演じたご本人なんです。」

その告白と同時に僕は机の下に置いておいたユウキの台本を小栗くんに見せた。すると、

「えっ!!!!ハマちゃん!?」

と体を前のめりにして、目を丸くする小栗くん。
ユウキのハマ役を演じたのはもう一年も前のことだし、単発の2時間ドラマにすぎなかったのに、開口一番、ハマちゃんと言ってくれたことがとにかく嬉しかった。

数多くのドラマや映画などに出演している小栗くん。主演作品でもなく、きっと彼のプロフィールに載ることもないくらいの役だ。それなのに、話をふったら、瞬時に「ハマちゃん」と言ってくれたのだ。もうそれだけで、十分すぎるくらい嬉しかった。

「えーーーーー!!!」

と側でその話を聞いていたマネージャーさんも大きな声をあげて驚いている。楽屋の空気が一気に高まり、天井に向かって加速した。

「そうなんですよ。実は僕がハマなんです。ずっとお会いしたかったです!」

と満面の笑顔で言葉を返した。

「いやー、ほんとに驚いた。カメラマンさんなら会えたらお会いしたいなぁって、撮影中も話してたんですよ。」

それから次の瞬間、小栗くんの口から嬉しすぎる言葉が!

「それからドラマを収録する前にホームページも見させてもらいましたよ。」

なっ!なんとあの天下の小栗旬くんが、このSLOW WALKを見てくれたことがあったなんて!!

「これは凄い!じゃぁ、写真撮りましょうよ。」

とカメラをかまえるマネージャーさん。ユウキの台本を手に取ってくれ、僕の横に並んでくれた小栗くん。切なくなるほど、背が高い。

まさか一緒に写真まで撮ってもらえるなんて、ありがた過ぎて鼻血が出そうだ。

「お会い出来て良かった、小栗旬。」後半に続く……。


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