#61「写真の神様」

公開日: : 最終更新日:2016/02/15 写真

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神が降りてきました。」

WBCの優勝インタビューでイチローが笑顔でコメントした。

野球には野球の神様がいる。
それと同じように写真には写真の神様がいる。

最近読んだ本で、誰もが知ってる有名カメラマンもこんなことを言っていた。
「ほんとに、いい写真は頭に描いたイメージを追うように撮るものじゃない。
写真の神様が降りてきたとしか思えないような偶然で、こんなの撮れちゃたっていうのがいい作品なんだ。」と。

確かに写真を続けていると、そんなふうに感じる瞬間があるものだ。

東京が桜色に染まった4月最初の日曜日。
写真の神様が降りてきたような偶然が重なり、思いがけない一枚を撮ることができた。
その会心の一枚が撮れるまでの過程を、順を追って実況中継してみたいと思う。
2009年、東京。
またこの街に新しい春が訪れた。

桜の匂いに誘われるように、首からカメラをぶらさげて砧公園へ足を運んだ。
どの桜もため息がこぼれるほどの見事な咲きっぷり。
桜を見物する人達は、みんな幸せそうだ。
そんな情景に早速カメラを向けた。

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これはこれで、悪くはない。
だけど、特に目をひくインパクトがない。

それからしばらく歩くと強烈に僕の目を引きつける被写体を発見!
桜の前で記念撮影をする艶やかな着物姿の人、人、人。

なぜ、こんな素晴らしい被写体がここにいるのかは、さだかではない。
しかしこんなチャンスを逃す手は無い。
カメラマンとしての血が騒ぎ、テンションが一気に加速した。

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インパクトもあるし、ちょっとしたストーリー性もある。色彩も鮮やかで、これはいい写真が撮れたと喜んだ。だがしかし、改心のショットと呼ぶには、もうひとつ何かが足りない。

まだまだシャッターチャンスがありそうな予感が空間一面に漂っていた。

すると、彼女達は集合写真を撮りはじめた。正面から撮影しても面白くないので、横側からカメラを向けた。

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これは構図もいいし、桜もきれいだし、ほのぼのしてるし、色も鮮やかでいい。
今日は桜を撮りにきただけなのに、思いがけず絵になる人達がいた。
そのおかげで予想以上にいい写真が撮れた。
良かった、良かった。

その時である。そこへさらに、思いがけない偶然が重なった。

なんとカメラの前に、ブロンド髪の女の子が現れたのだ。

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満開の桜。
艶やかな着物姿の集団。
これだけでも充分絵になる。

しかも、そこへブロンド髪の女の子の登場。
これはまさに、神様が重ねてくれた一生に一度の偶然。

役者はそろった。
それからはもう、まさに無我夢中。
めちゃくちゃハイテンションになりながら、春の空にシャッター音を響かせまくった。

残すは、一生に一度のシャッターチャンスを掴むのみ!

そしてついに時は訪れた。

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それは、まさに写真の神様が降りて来た瞬間だった。

 


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