#88「7DAYS INDIA その5 ガンガーフジホームへようこそ!」

公開日: : 最終更新日:2015/07/12

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結局、どちらのホテルに泊まるか答えの出ぬまま、寝台列車の中で夜が明けた。そして、予定より2時間遅れて列車はついに、バラナシ駅へ到着。

駅に着くと荷物持ちの小さなおじさんと、運転手らしき若者の二人がラージさんを待っていた。駅の構内は喧噪に包まれ、ついつい圧倒されてしまう。

「ソレジャ、着イテキテ。」とラージさんは人ごみの中を進んでいく。それを見失わないように、ラージさんの大きな背中を慌てて追った。

インド人の若者が運転する車に揺られ、30分くらい走ると、やがて車は止まった。ラージさんが経営するホテルは細い路地の先に建っているらしく、ここからは車では入れないそうなのだ。

バラナシは大きな迷路みたいな町だ。幅が2メートルもないような細い路地が、どこまでも続いていく。その狭い道を人が行き交い、バイクがクラクションを鳴らしながら走り、その路地の両側にシルクの生地屋や、八百屋などの露店が連なっている。

しかもそんな路地に野良犬が横たわり、水牛がヌボっと立ち尽くしているのだ。目に飛び込んでくるものすべてが物珍しく、興奮しながら歩いていくと、どうやら、ガンガーフジホームという名のホテルへ着いたようだ。

ホテルに入る前に狭い入り口の前で、ラージさんに正直に気持ちを話した。

「実はまだどちらのホテルに泊まるか考えているんですけど。ちょっと部屋を見せてから決めてもいいですか?」

ここまで来ておきながら、ひょっとしたら気を悪くするかもしれないとも思ったが、ラージさんは「ジェンジェン、大丈夫。」とあっさり答えてくれた。

4階建ての階段を上がり、部屋のドアを開けるとダブルベットに自然光が降り注いでいた。窓からはガンジス川は見えなかったけど、眺めがよく気持ちのいい部屋だった。それから、屋上にあがるとそこはレストランになっており、空は青く広く晴れわたり、何よりも気持ちがよかった。

屋上からはバラナシの街全体が見渡せて、町の先にガンジス川がハッキリと見えた。あまりにもここから眺める景色が気持ちよく、それが決めてで、このホテルに泊まることに僕は決めた。旅の直感というものが、強烈に働いたのだ。

その晩、このホテルに泊まって良かったと思えることが早速、起こった。今日は大晦日。2010年最後の日だ。それを祝して、夜はレストランでパーティーが行われた。インド伝統音楽の生演奏を聞きながら、各国の旅行者と一緒にインド料理を楽しみ、
新年を迎える24時ちょうどには、屋上から250発の打ち上げ花火が上がった。

花火と言ってもドンキホーテで売っているような遊びの花火ではなく、バズーカー砲のような筒に入った花火職人が上げるような本気の花火だ。

こんな身近で花火を見たことなんてない。おそらく、この日は生涯忘れられない大晦日になるだろう。

そして明日はいよいよこの旅の一番の目的である「ガンジス川で初日の出」を見る日がやってきた。しかし、ただいまの天気は雨。バラナシの上空からポタポタと雨が降っている。
果たして明日の朝、ガンジス川から初日の出を拝むことは出来るのだろうか?

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#89 「7DAYS INDIA その6」


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