#110「雑誌撮影 : もう一人のユウキ」

公開日: : 最終更新日:2016/02/20

kinema
春の季節が過ぎ、梅雨に入る少し前の5月下旬。

その日は自分にとって特別な人を撮影する一日となった。その人の名は亀梨和也さん。

1997年にオーストラリアを旅行中、僕はペンバートンという小さな田舎町でユウキと出会った。そして2001年12月3日。ユウキは長い闘病の末、オーストラリアよりもずっとずっと遠い場所へ旅だった。

それから数年後の2006年。24時間テレビでスペシャルドラマ「ユウキ」が放送された。そのユウキを演じた人こそが亀梨和也さん。そんな彼を映画雑誌の仕事で撮影させてもらえることになったのだ。

実は撮影当日、ハードなスケジュールが重なり、スタジオに現れた彼の顔には明らかに疲労の色が浮かんでいた。しかし撮影の途中で「実はユウキは僕の友達なんですよ。」と伝えたら、彼のテンションは急に上昇した。そしてそのことをとても喜んでくれて、それからは笑顔で撮影に応じてくれた。

ユウキが旅立ってから幾つもの季節が巡ったこの日、もう一人のユウキにこうして、静かにカメラを向けることができた。

撮影時間はたった15分だったけど、それはもう会えるはずの無い友達との短くも嬉しい再会だった。


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